寒冷地で使われる結束バンドの素材

電気の配線工事を行う際に欠かせない存在となっているのが、結束バンドと呼ばれる製品です。結束バンドは配線用のケーブルを固定しておくために使われるひも状の製品ですが、素材に樹脂が使われているので布製のひもなどと比べると縛る力が強く、寿命も長いという特徴があります。何本ものケーブルを束ねて配線ダクトの中を通したい時、ケーブルをフックに引っかけて落ちないようにしたい時などに使うと便利です。結束バンドは住宅の天井裏や床下などに使われている姿をよく見かけますが、それらはたいてい外見が乳白色となっています。

これは、主要素材であるナイロンの色がそのまま表面にあらわれたものです。これに対して、屋外の電気設備に使われている結束バンドは、外見が黒いものが大半を占めます。寒冷地などでは、特に黒い製品が目立ちます。この色の違いは、耐候性の違いによるものです。

言うまでもなく屋外は紫外線や風雨、温度変化などによる影響を直接受けやすいため、屋内よりも樹脂製品の劣化が早まります。特に寒冷地では気温が下がると樹脂が硬化し、柔軟性を失って破断しやすくなります。こうしたことから、寒冷地の屋外で結束バンドを使う時は、カーボンブラックと呼ばれる耐候性に優れた素材をナイロンに混ぜた製品が選ばれます。黒い色をしているのは、このカーボンの色が外にあらわれたものです。

また、氷点下80度までの寒さに耐えられるフッ素樹脂を素材に用いた製品が使われることもあります。

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