結束バンドに塩カルへの耐性が必要な理由

結束バンドは電気のケーブルを束ねるのに使われる製品で、さまざまな場所に使われています。代表的な使用場所は住宅の天井裏や壁の内側、ビルの配線ダクト内などで、複数のケーブルをまとめてバラバラにならないようにしたり、固定金具に縛りつけて弛まないようにしたりするのが主な用途です。ただ、電気設備のある場所は屋内だけとは限りません。たとえば工場における建屋の外壁や道路脇の照明設備、商業設備の電光掲示など、屋外にもさまざまな設備があることから、結束バンドも当然ながら屋外で使われる機会があります。

そして言うまでもなく、屋外は屋内に比べて直射日光や風雨、温度変化など人工物にとっては厳しい環境です。そのため、結束バンドも屋内で使用されるものに比べて耐熱性や耐寒性、耐塩性などに優れた特殊な素材のものが使われます。耐熱性や耐寒性はともかく、結束バンドに求められる耐塩性は何かというと、これは主として塩カルに対する耐性のことです。塩カルとは塩化カルシウムのことで、融雪剤や凍結防止剤などの主要原料となっている物質のことです。

寒冷地などでは冬季になるとよく使用されるため、道路脇などに電気設備があるとその一部が降りかかることがあります。この塩カルは、樹脂や金属などに付着すると劣化を早め、錆び・腐食・破断などのトラブルを引き起こします。結束バンドも素材は樹脂ですが、屋外で使用されるものには耐塩性を高めるために特別な原料を配合した樹脂が素材となっています。

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